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プロスポーツの現場では、単なる「きついトレーニング」ではなく、競技特性に応じた科学的なフィットネス強化が求められています。
本記事では、日本製鉄釜石シーウェイブスでヘッドアスレティックパフォーマンスコーチを務める山口大輔氏に、チームで実践されている「エネルギーシステムディベロップメント(ESD)」について解説いただきました。
フィットネス強化の考え方から具体的なプログラム、そしてROGUE エコーバイクの活用方法まで、現場に基づいた実践的な内容となっています。
CONTRIBUTED ARTICLE
寄稿:日本製鉄釜石シーウェイブス ヘッドアスレティックパフォーマンスコーチ 山口大輔氏
コベルコ神戸スティーラーズなどラグビーチームでストレングス&コンディショニングコーチを歴任。現在は日本製鉄釜石シーウェイブスでヘッドアスレティックパフォーマンスコーチとして活動している。

持久力向上を目的としたトレーニングになります。
持久力と言っても競技によって必要な持久力は様々であり、ただきつい内容をするのではなく目的に応じた適応を狙いエネルギーシステムを構築する戦略的トレーニングアプローチを意味します。
ラグビーのフィットネス向上において、Game Demand とESD の2 つの柱で構築しています。
ラグビーにおけるフィットネス向上においてボールインプレイやコンタクトなど試合の要求に基づくアプローチと合わせてベースとなるエネルギーシステムの構築を体系的に行うことでフィットネスの最大化や回復力向上を目指しています。
ESD は、ラグビーのフィットネスを支える基盤のエンジン構築を目的としています。運動様式や競技特異性は優先せずに心肺機能などに生理的過負荷を与えやすく、ケガのリスクを抑えながら推進できるオフフィートコンディショニングを取り入れています。
☑️2つの適応を狙い、明確な数値ターゲットのもと期分けして実施しています。
☑️中枢適応 : 主に心臓の適応 酸素の”供給能力”
☑️末梢適応 : 主に筋組織の適応 酸素の“利用能力”
プレシーズン一般準備期 : 酸素の“供給能力”
頻度 : 1 週間に2 セッション(低負荷フィールドトレーニング日に実施)
運動:休息比=3-4 : 1
数値ターゲット : 最大心拍数の85%以上
セッション1 4 分ワーク : 1 分レスト×4-8 セット
セッション2 90 秒ワーク : 30 秒レスト×10-20 セット
心拍数の高い時間の総量を確保するようなプログラムとし、毎週総量が多くなるように実施しリアルタイム心拍数をモニターに映し実施した。
プレシーズン特異準備期 : 酸素の“利用能力”
頻度 : 1 週間に1 セッション
運動休息比=1:1-3
セッション例 60 秒ワーク : 60 秒レスト×10 セット
セッション例 90 秒ワーク : 120 秒レスト×6 セット
数値ターゲット : 出力・距離の大きさと維持
強度と努力を最大限に引き出すために、各機器で達成した距離に基づいてポイントを設定し、トータルポイントを競う形でセッションを実施。
競争を促す内容は生理的な意味合いだけでなく競技特性やチームのエンゲージメントに有効だと感じている。
| ポイント | エコーバイク | ワットバイク | ローワー |
|---|---|---|---|
| 2pt | >825m | >850m | >330m |
| 1pt | 800-824m | 830-849m | 320-329m |
| 0pt | 780-799m | 800-829m | 300-319m |
| -1pt | <779m | <799m | <299m |
インシーズン : 個人の課題やコンディション維持が目的
・試合のない週などのチーム全体のESD セッション
・基礎フィットネスレベルに課題がある選手のデイリートップアップ
・リハビリ選手のコンディション維持やモニタリング
・ゲーム出場時間が少なかった選手のトップアップ
・コンディションレベルの定期的モニタリング

エコーバイクの活用は、日本製鉄釜石シーウェイブスにおけるESD を効率的かつ客観的に推進する手助けとなっている。
以下の点でエコーバイクの有効性を感じている。
全身運動による心拍数の高めやすさ
全身運動により心拍数が早期に上がり、維持しやすい。下半身のみのバイクで心拍数が上がりにくい選手でもエコーバイクを活用すると心拍数があがりやすく総量確保に優れている。
客観的指標の可視化
距離、カロリー、ワットなど様々な指標がモニタリングできます。
心拍数だけでなく出力の大きさを指標としたセッションなどの高強度インターバルトレーニングにも適しています。
高強度トレーニングに耐えうる安定性とスムーズさ
体重100kg を超えるラグビー選手が100%で動作しても安定性とスムーズな連動性があるため各種高強度トレーニングに適している。
コストパフォーマンスの高さと汎用性
高性能でありながら、他機器と比較して安価なためチーム全体で複数台揃えやすくチームでのセッションを推進できる。また上半身のみでも動作可能なため下半身で動作できないリハビリ選手のコンディション維持にも活用可能
今回ご紹介いただいたESDは、単なる持久力トレーニングではなく、競技特性に応じてエネルギーシステムを戦略的に構築する非常に体系的なアプローチであると感じました。
特に重要なのは、そのトレーニングを“再現性高く・客観的に運用できるか”という点です。
本記事で紹介されている通り、ROGUEエコーバイクは心拍数・出力・距離といった指標を基に、チーム全体で高強度トレーニングを統一して実施できる点に大きな価値があります。
高強度トレーニングに耐えうる安定性と耐久性、そしてチーム単位での運用のしやすさは、プロチームのみならず大学・高校・一般ジムにおいても有効です。
最後に、今回貴重な内容をご寄稿いただいた日本製鉄釜石シーウェイブス ヘッドアスレティックパフォーマンスコーチ 山口大輔氏、ならびに本記事の制作にご協力いただいた日本製鉄釜石シーウェイブスの皆様に、心より御礼申し上げます。